2026.7.21
ぬいぐるみは、ベビーからおとなまで年齢や国籍を問わず、人の心に寄り添い、時にはかけがえのない存在となります。ところで、世界で最初に作られたぬいぐるみって、どんなものだったのでしょうか?
それは1880年南ドイツの町ギンゲンで生まれました。シュタイフの創始者、マルガレーテ・シュタイフが、雑誌で見たゾウのイラストからインスピレーションを得て、クリスマスの贈り物として甥や姪にゾウの形のおもちゃを制作し、おとな用には針刺しとしてプレゼントしました。その当時、人形といえばビスクドール(19世紀にヨーロッパで流行した磁器製の人形)が主流で、おもちゃも木やブリキなどの硬い素材で作られたものが多かったのですが、そんな中、柔らかくて触り心地の良い、全く新しいおもちゃが誕生したのです。
洋裁店から玩具メーカーへ
それまでになかった愛らしいゾウのぬいぐるみ。これを求めて、マルガレーテ・シュタイフの洋裁店の前には行列ができました。ゾウに頬ずりをして微笑むこどもたちを見て、マルガレーテは「こどもたちには、最高のものこそふさわしい」という思いを強くします。
こうして1880年に身内へのプレゼントとして作られた8体のゾウは、1885年には5000体以上となり、たくさんのこどもたちのもとへ届けられました。このヒットの後、さまざまな動物のぬいぐるみをつくり、マルガレーテの会社は「フェルト・トイ・カンパニー」と改名し、洋裁店から玩具メーカーへとステップアップします。![]()
1877年に設立された洋服を製造販売する「フェルト・メール・オーダー・カンパニー」
世界で初めてテディベアを作ったドイツの最高級ぬいぐるみメーカー「シュタイフ(Steiff)」の前身となった会社世界初のテディベア
そして1902年、世界初のテディベア「55PB」が誕生!「本物のクマのようなぬいぐるみ」を思いついたリチャード・シュタイフが、頭と腕と脚が動く、毛足の長いモヘアで作られたクマのぬいぐるみを設計します。
今や、世界中の誰もが知っているシュタイフの「テディベア」。その高いクオリティへのこだわりは、最初のゾウのぬいぐるみの誕生から少しも変わることなく引き継がれています。(*1)![]()
世界初のテディベア「55PB」
「嬉しい時も、寂しい時も、ぬいぐるみはこどものハートの一番近くにある大切なもの。だからこそ、最高のものを与えてあげたいの」。
このマルガレーテ・シュタイフの心は、時代を越え、国境を越えて、今も生き続けています。
シュタイフの創業者「マルガレーテ・シュタイフ」
(*1)シュタイフ ドイツ本国サイト(外部リンク)
*書籍「マルガレーテ・シュタイフ物語」(ポプラ社)(外部リンク)
*書籍「学習まんが人物館 マルガレーテ・シュタイフ」(小学館)(外部リンク)